安全作業の手引き

高所作業車を安全にお使い頂くために

以下に記する内容は、高所作業車を専門に20年間色々な作業現場、工事現場または企業内での安全作業のご指導をさせて頂いた事柄を簡単にまとめた物です。

※20年間が、いつのまにか30年以上となりました。m(_ _)m

高所作業車を使う作業は危険作業!

いきなり何を言うんだと怒られそうですが基本的に高所作業に間違いないので、作業車の操作は慎重に操作して下さい。 地上高さ4mから20mを越える場所での作業です。 事故が起きれば良くても重傷、事によれば最悪の死亡事故となります。

事故のほとんどが人為的操作ミス

高所作業車はクレーンなどと違い、『人間が乗って作業する』が前提ですので安全度を大きく取って設計されています。

しかし、正直なところ今までに事故が無かったわけではありません。ただ幸いな事に、機械的トラブルでの大きな事故はありませんでした。ほとんどは人為的操作ミスによるものです。

間違った操作に気づき慌てしまい、さらに誤操作で壁に激突重傷。
手摺から身を乗り出しての作業作業中に、身体の一部が操作レバーに当たり天井に押し付けられ圧死。
操作する者が自分に起こりえる危険にだけ気を取られ、同乗の作業員が梁に挟まれ死亡。etc

作業環境にも左右されますが、操作する者だけでなく指揮者または合図者の配置などにより、未然に防げたような事故も多くありました。

危険な荷降ろし作業

荷物の上げ降ろし作業で重大事故の起きる確率は圧倒的に荷降ろし作業と言っても過言ではありません。

高所作業車には、過積載防止の安全装置が装備されています。最大積載量を超えると転倒防止のため、作業床は上がりません。警報ブザーやランプなどが点く機種もあります。 しかし、荷を下ろす時はどうでしょう?!

作業床を上げた状態で最大積載量を超えても、荷物は制限なく積めます。安全装置は意味を成さず、過積載となりバランスを崩し転倒となります。 使用機種の最大積載量を把握し、小まめに下ろす事が最良です。間違っても積載量ぎりぎりまで載せ、その後作業員が飛び乗るような事はしないで下さい。飛び乗った瞬間にバランスが崩れ転倒します。

現場で見かける一番多い転倒事故です。

事故が多いのは初心者よりベテラン作業員

初心者は一つ一つの操作が慎重ゆえに事故は起きにくいのですが、ベテラン作業員になると作業車はスムーズかつスピーディです。

手元を見ずに操作レバーを操り、つい安全確認を忘れがち!
いつもの事だからと作業車を動かしていると、、、思わぬ所に!
事故が起こるのは、いつもこんな感じです。

ベテランと言えども慣れは禁物、常に安全を確認し慎重な操作をして下さい。

労働災害は思わぬ所に

技能講習、特別教育で受ける安全作業の留意点を守れば事故は起きません。

しかし、意外に多いのは作業床への昇降ステップの踏み外し、入り口扉や操作盤の蓋での指挟みなど作業車の操作以外でのケガは日常起こりえます。

『つい!』とか『まさか!』という所に労働災害は潜みます。 地面に降り立つまでが高所作業と考えています。くれぐれも事故、ケガの無いように!

kyouiku